
前編では、経済産業省の「半導体デバイス工場におけるOTセキュリティガイドライン」が、なぜ「可用性(止めないこと)」や「品質維持」を最優先としているかを解説しました。しかし、実際に現場で対策を進める担当者様からは、「何から手をつければいいのか」「製造ラインへの影響が怖くて手が出せない」という声を多く伺います。
後編コラムでは、ガイドラインの要求事項を現実の運用に落とし込み、持続可能なセキュリティ体制を構築するための「3ステップのアプローチ」を提案します。
【Step 1】現状把握と評価:見えないリスクの可視化
ガイドラインがまず求めるのは「資産管理」です。しかし、半導体工場には膨大な製造装置、センサー、検査端末が存在し、それらが複雑なネットワークで結ばれています。手書きの管理台帳では、動的に変化する環境についていけません。
ここで有効なのが、当社の「OT Network Asset Discovery(資産台帳作成支援)」です。 このソリューションの最大の特徴は、「製造ラインを止めない(非侵入型)」ことにあります。ネットワークを流れるパケット(PCAPファイル)を解析するだけで、接続されている機器の種類、OSのバージョン、通信経路、さらには潜んでいる脆弱性までを一括で洗い出します。
さらに、「OTセキュリティアセスメント」を組み合わせることで、ガイドラインや国際標準(IEC 62443)とのギャップを明確にします。当社のコンサルタントが現場を調査し、「どの装置が最もリスクが高いか」という優先順位を付けることで、限られた予算とリソースを効率的に投入することが可能になります。
【Step 2】脅威の侵入や拡散の防止:多層防御の構築
現状が把握できたら、次は「防御」のフェーズです。半導体工場では、装置メーカーによるリモートメンテナンスが日常的に行われますが、これが大きな侵入経路となっています。
そこでお勧めが、NTTセキュリティ・ジャパンの「OTセキュアリモートアクセス」です。 従来のVPNとは異なり、踏み台サーバーを経由して「誰が、いつ、どの装置に、何のために」アクセスするかを厳密に制御・承認フロー化します。すべての操作は動画やログとして記録されるため、万が一の際の証跡管理も万全です。
また、工場内部での「感染拡大(ラテラルムーブメント)」を防ぐために、ネットワークを機能単位で分割する「セグメンテーション」を行います。当社の専門アナリストが、製造プロセスに影響を与えない最適なアクセス制御ルールを設計し、万が一1台の端末が感染しても、工場全体が停止する事態を未然に防ぎます。
【Step 3】工場・プラント内の監視:24時間365日の高度な検知
「防御を固めれば安心」という時代は終わりました。最新のサイバー攻撃は、正規のツールを悪用して静かに侵入します。ガイドラインでも、異常を早期に検知し、迅速に復旧する体制(レジリエンス)の構築が強く求められています。
しかし、工場内には「特有の通信」が多く、一般的なIT用監視システムでは誤検知が多発し、現場が混乱してしまいます。当社の「OT-IDS(不正侵入検知システム)導入・運用支援」では、半導体製造特有のプロトコルを理解し、現場に最適化したチューニングを行います。
さらに、自社で監視チームを持つことが難しい企業様向けには
NTT独自開発のSIEMでクラウド/ネットワーク/OTなど約70種類の製品に対応したMDRサービスを提供しています。
世界トップクラスのセキュリティアナリストが、24時間365日体制でお客様の工場を遠隔監視します。異常検知時には、単なる通知に留まらず、ログ解析に基づいた「具体的な対処法」までをアドバイスするため、OT専門のセキュリティ人材が不足している現場でも、迅速な初動対応が可能になります。
まとめ:持続可能なセキュリティを目指して
半導体デバイス工場のセキュリティ対策は、一過性のプロジェクトではありません。装置の入れ替えや技術革新に合わせて進化し続ける必要があります。
NTTセキュリティ・ジャパンは、20年以上にわたる重要インフラ保護の実績と、NTTグループの研究所が持つ最先端の技術力を結集し、コンサルティングから導入、そして24時間365日の運用監視まで、ワンストップでサポートいたします。
ガイドラインへの対応を、「負担」ではなく「競争力を高めるための投資」へと変える。それが私たちのミッションです。
まずは、自社の現在地を知るための一歩【Step 1】現状把握と評価:見えないリスクの可視化から一歩踏み出してみませんか。
「OT Network Asset Discovery(資産台帳作成支援)」
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