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5分でわかるMSSとSOCの違い|選定に重要な「3つの判断基準」とは

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5分でわかるMSSとSOCの違い|選定に重要な「3つの判断基準」とは
サイバー攻撃が高度化する昨今、企業のセキュリティ対策において「SOC(Security Operation Center)」と「MSS(Managed Security Service)」は重要な役目を担っています。
「自社にはどちらが必要なのか?」「コストパフォーマンスが良いのはどちらなのか?」といった疑問を持つ担当者の方も少なくありません。本記事では、SOCとMSSの決定的な違いを理解した上で、自社に合った運用モデルを選ぶための判断基準をわかりやすく解説します。

そもそも「SOC」と「MSS」はどう違う?

結論から言うと、SOCは「組織・体制」を指し、MSSは「サービス」を指します。まずはこの定義の違いを整理しましょう。

SOCとは? 攻撃を検知・対応する「組織」

SOC(Security Operation Center)とは、企業のネットワークやデバイス、システムを24時間体制で監視し、サイバー攻撃の予兆検知や分析、初動対応を行う「専門組織」や「拠点」のことです。

例えるなら、社内に設置された自社専用の「警備室」や「消防団」のような存在です。

  • 定義: サイバー攻撃の検知・分析を行う「機能・場所・チーム」そのもの。
  • 役割: ログ監視、脅威分析、インシデント発生時の初動対応、関係部門へのエスカレーションなど。

関連記事:【徹底解説】SOC(Security Operation Center)とは?役割・必要性・導入方法をわかりやすく解説

MSSとは? 運用を代行してくれる「サービス」

MSS(Managed Security Service)とは、セキュリティ機器の運用や監視業務を、外部のセキュリティベンダーが代行して提供する「アウトソーシングサービス」です。

SOCが「社内の警備室」だとすれば、MSSはセコムやALSOKのような「警備会社と契約して守ってもらう形」に近いです。自分たちで警備員を雇うのではなく、プロに任せるイメージです。

  • 定義: ベンダーが提供するセキュリティ運用の「代行サービス」のこと。
  • 役割: ユーザーに代わって24時間監視し、脅威を検知した場合に通知や対応支援を行う。

関連記事:【MSSとは?】企業のセキュリティ運用を効率化する最適な選択肢

両者の関係性:「SOC機能」を実現する手段の一つが「MSS」

企業が「サイバー攻撃を24時間監視したい(SOC機能を持ちたい)」と考えたとき、その実現方法は大きく2つに分かれます。

  1. 自社で構築する(自社SOC): エンジニアを採用・育成し、社内に警備室(SOC)を作る。
  2. 外部サービスを利用する(MSS): セキュリティベンダーと契約して、監視・運用をアウトソースする。

つまり、「SOC vs MSS」という比較は、「自社で構築するか、外部サービスを利用するか」という、「手段」を比較検討している事と同義です。

【徹底比較】自社SOC vs MSS

自社SOCとMSSの決定的な違い

では、自社SOCとMSSでは、具体的に何が違うのでしょうか。主要な4つの軸で比較してみましょう。

比較項目

自社SOC(完全内製)

MSS(外部サービス利用)

コスト構造

高額な固定費

(採用費、人件費、設備投資、育成費)

変動費・サブスクリプション

(初期費用+月額利用料)

導入スピード

遅い(半年〜数年)

体制構築、人材採用・育成に時間がかかる

速い(数週間〜数ヶ月)

契約後、設定が完了すればすぐに開始可能

運用の柔軟性

高い

自社の業務都合に合わせた細かな調整が可能

普通〜低い

ベンダーの標準仕様に準拠

責任範囲

全て自社

検知漏れや対応遅れも自社の責任

ベンダーと分担

監視・通知はベンダー、最終判断は自社など

【表から読み取れるポイント】

この比較表から見えてくるのは、自社SOCとMSSの間にある明確なトレードオフ(一長一短)です。

  • コスト: 自社SOCはノウハウを蓄積する「投資」。MSSは必要な機能だけを使う「経費」。
  • スピード: 自社SOCは構築に時間がかかるが、MSSなら契約直後からプロの体制を利用可能。
  • 柔軟性: 自社SOCは自由度が高いが、MSSは仕様に制約がある。
  • 責任範囲: 自社SOCは全責任を負うが、MSSは監視責任をベンダーと分担可能。

日本企業の現実は「完全内製」よりも「MSS利用」が主流

「理想は自社SOC」と考える企業は少なくありません。しかし、当社が行った調査によると、全体の38.7%が「セキュリティ人材不足」を課題として挙げており、この状況下で24時間365日の監視体制を自社だけで維持するのは現実的ではありません。現場の負担を軽減しつつ、高度な監視・運用を実現する手段として、MSSの活用が不可欠となります。

出典:自社(NTTセキュリティ・ジャパン)調べ(従業員規模101名以上、情報システム担当者933名へのアンケート)

「自社SOC(内製)」のメリット・デメリット

メリット:自社ビジネスに特化した柔軟な対応とノウハウ蓄積

最大のメリットは、「自社の業務やシステムのことを一番よく知っている人間が守る」という点です。

「この通信は、月末の経理処理による正常な挙動」といったビジネスロジックに基づいた判断が迅速にでき、独自の検知ルールを作り込むことも可能です。また、対応経験やノウハウが社内資産として蓄積され、長期的なセキュリティ成熟度向上につながります。

デメリット:維持困難なコストと「24時間365日」の人材不足

最大の課題は「人」です。24時間365日のシフト勤務を維持するためには、最低でも5〜6名の専任エンジニアが必要と言われています(通称「5人の壁」)。

高度なスキルを持つ人材の採用難、夜勤による離職リスク、キャリアパス維持の難しさなど、継続的なマネジメントコストが重くのしかかります。

向いている企業

  • 大規模組織: 金融機関や通信キャリアなど、予算と人材に余裕がある。
  • セキュリティ成熟度が高い企業: 独自ポリシーや厳格な機密保持要件がある。

「MSS(外注)」のメリット・デメリット

メリット:採用ゼロ・即日で「プロの24時間監視」を実現

最大のメリットは、自社では構築困難な「高度な監視体制」をすぐに手に入れられることです。

自社における人材採用・育成が不要で、契約直後に専門家による24時間監視体制が手に入ります。また、世界中の脅威情報を収集しているベンダーの知見が反映されるため、常に最新の防御レベルを維持できます。

デメリット:個別対応の限界とノウハウのブラックボックス化

外部サービスであるため、自社独自の細かな要望には対応できない場合があります。また、ログ分析や判断をベンダーに任せるため、判断根拠が見えにくく、社内に知見が蓄積されにくいという側面があります。

向いている企業

  • 中堅・一般企業: セキュリティに割ける人員が限られているため。
  • 専任担当者がいない企業: 効率的かつ安全なセキュリティ体制を構築したい。

【選定ガイド】自社はどちらを選ぶべき?迷いを断つ「3つの判断基準」

最終的に「自社SOC」にするか、「MSS」にするか。迷ったときは、以下の3つの観点で自社の状況をチェックしてください。

①人的リソース(24/365体制の維持が可能か?)

最も物理的な制約です。

  • 5名以上の専任チームが作れる: 自社SOCの構築が現実的。
  • 専任は数名、または兼任のみ: 物理的にシフトが組めないため、MSS推奨。

②コスト許容度(固定費か、変動費か?)

予算の使い方の問題です。

  • 固定費型: 人件費を投資と捉え、将来の資産化を重視→自社SOC。
  • 変動費型: 必要な機能にのみ対価を払い、コストパフォーマンスと経営の身軽さを重視→MSS。

③機密性・ポリシー(ログを外部に出せるか?)

データの取り扱いルールです。

  • 持ち出しNG: 顧客情報を含むログデータを、外部ベンダーやクラウドに出せない→自社SOC。
  • 委託OK: 適切な契約(NDA等)・管理で外部委託が可能→MSS。

まとめ:自社に最適なセキュリティ体制を構築しよう

サイバー攻撃者は、監視しているのが「自社の社員」か「外部のベンダー」かなど気にしません。彼らが狙うのは、監視の隙間や対応の遅れです。

もし、24時間365日の監視体制を構築・維持することに不安があるなら、MSSは有力な選択肢です。自社のリソース(人・モノ・金)を冷静に見極め、MSSという「プロの力」を賢く活用することが、結果として最強のセキュリティ体制への近道となるでしょう。

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