12/15(水)は、SOC アナリスト 田邉 龍一の記事です。異色の経歴を持つエンジニアのスペインでの生活と SOC に戻ってくるまでのエッセイです。
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はじめに
こんにちは、SOCアナリストの田邉です。NTTセキュリティ・ジャパンには2020年9月に入社しました。それ以前はスペインで約1年間生活していましたが、実はそれ以前にもここのSOCで働いていたことがあります。本日は、私のスペインでの暮らしを経て再びSOCへ戻ってきた理由について、インタビュー仕立てでお話したいと思います。これまでの記事では真面目な話題が続きましたが、アドベントカレンダーも中盤に差し掛かってきたところで一息ついて、ユルい話題をお届けします。
なぜ私がSOCへ戻ってきたのか
NTTセキュリティ・ジャパンでは主にどんな仕事をしていますか
アナリストとして、主にEDR製品のログ分析やカスタムIoCの作成、EDR-SIEMのロジック作成やフィルタ作成をしています。また、海外での経験を活かして、技術文書の英訳を行うこともあります。
なぜスペインを選びましたか
夢のためです。私は少しの間でもいいから海外で暮らしたいという夢がありました。そんな中でワーキングホリデービザというものを知り、1年だけのわがままだと思って、思い切って海外へ行くこととしました。スペインを選んだ一番の理由は、スペイン人の友人がいたからです。あとはスペイン語が言語として多くの国で話されていることや、フランス語をすでにやっていたので習得が早いと考えたからです。そんなに甘くはなかったのですが……。
滞在先でごちそうになったパエリア。パエリアは元々鍋の名前から来ているらしい。
スペインに行ったことで何を得られましたか
まずは何といってもスペイン語です。それなりにコミュニケーションを取ることができるようになりました。あとは、性格的な面でも変化がありました。私が出会った現地の人々は陽気な方が多く、その影響でだいぶおしゃべり好きになったと思います。
現地では何をしましたか
スペイン語の語学学校でスペイン語の基礎を勉強しました。また、友人の知り合いに日本語を教えるような仕事をしました。他にはボランティア活動をしました。オリーブ畑で働いたり、保護された動物の世話をしたりですね。最後の動物の保護というのがとても面白くて、ものすごく広大な土地でいろいろな動物(犬、猫、豚、牛、馬、羊、山羊など)の世話をするというもので、いろいろな価値観を知るという意味ではとてもためになりました。(ただ言葉がめちゃくちゃ早く、何を言っているのかよく分からないことも多々ありましたが……)
カフェで食べたチュロス。スペインでは朝食べることが多い。ホットチョコレートや砂糖を付けて食べる。カロリーモンスター。
スペインにいる間セキュリティに関することは何かしましたか
滞在中はセキュリティに関する仕事には就きませんでしたが、時間があるときにセキュリティに関する情報を調べたりして、流行や技術的なことをキャッチアップしていました。正直に話すと、スペインにいた時点ではセキュリティ関係の仕事に戻るかどうかは考えていませんでしたが、ずっとスペイン語を勉強してしまうと疲れてしまうので、気分転換がてらにやっていました。結果としては結構いい気晴らしになったと思っています。
お世話になったボランティア先の写真。ここには犬しか映っていないが本当に種類によらず多くの動物を保護していた。
スペインに行く前はSOCで働いていたとのことですが
はい、なんだかんだで合計すると7年くらいはSOCで働いていました。元々はヘルプデスク業務をしていましたが、その後は今やっているようなログ分析業務を中心に担当しました。当時はネットワークのセキュリティログをメインに見ていました。
いつ帰国をしましたか
私が帰国したのはちょうど2020年3月でCOVID-19が大流行し始めた頃でした。滞在中はできるだけ多くの場所を旅したいと思ったのですが、スペインも本格的なロックダウン状態に入り、帰国を余儀なくされました。帰国後は自主隔離期間を経て、1ヵ月休養したあと仕事を探し始めることにしました。
バルに行くと出てくるおつまみで小さいカタツムリ。最初は驚いたけどかなりおいしかった。特にスープ。
どんな仕事を探しましたか
何をするかは正直あまり決めていなかったのですが、いざ探してみるとやはり私の経歴上セキュリティの仕事をすることがいいだろうというのがあり、まずはセキュリティの仕事を探すことにしました。セキュリティは知らなければいけないことは多いですが、基本的にいろいろなことを知るのが好きな私にとっては水が合うと思っていたのもあります。
なぜその中でも現職を選んだのですか
職を探しているうちにふとNTTセキュリティ・ジャパンのことを思い出しました。「思い出した」というのも、実は私はここのSOCへの常駐業務で働いたことがあった経緯があったからです。当時から全体的な雰囲気もよく、周りには技術はもちろんですが、何かしら突き抜けている人がいてとても刺激的でした。またアナリストであった私から見ても、このサービスは自信をもって良いものだといえるというサービスを提供していると思っていました。というのも日々の忙しい中でもさらに品質を高めて顧客へのサービス品質を向上させようという営みがあったからだと思っています。
私は他のSOCでも働いた経験があり、組織によって様々な違いを経験してきましたが、やはり、一番自分が伸び伸びとして様々なチャレンジをしていた時代を思い出し、NTTセキュリティ・ジャパンの門戸を叩くことにしました。
実際戻ってみてどうですか
組織的な良いところは変わらず、仕組みや技術レベルはさらに向上していたという印象です。弊社では昔からWantsという営みをしていて、分析の他に自分のやりたいと思うことに対して時間を使うことができました。高い要求レベルに応えられるよう、1つ1つのWantsがより専担化している感じがしました。その営みの中では、いわゆる改善活動や分析補助システムの開発などの内部的な取り組みはもちろんですが、技術的なブログの執筆や外部発表などの外部での取り組みも行っていて、全体的に以前と変わらない熱量で精力的に活動していると感じています。また日本のSOCだけではなく、グローバルメンバーとのつながりもあります。過去のアドベントカレンダーで一部触れられていますが、グローバル(主にスウェーデン)のメンバーと定期的にミーティングをしています。また、それとは別に年に一回グローバルSOCのメンバーとお互いに情報交換をする場が設けられています。これらのことはやりたいと思う人がやれるので、自分がやりたいと思うことは積極的に手を上げればやれる環境で、そこは昔から変わっていないなという感じでした。
スペインに行った経験は何か役に立っていますか
残念ながら、直接的に役に立っていることは正直少ないです。スペインで働いた経験といっても、日本語を少し教えたことがあるのと、オリーブ畑や保護動物の世話など肉体労働がメインでしたし、現在の仕事でスペイン語を使う機会がないので。前述の通り、定期的にグローバルのメンバーと連絡をする機会がありますが、英語での会話となるので英語さえしっかりできればよいと思います。
ただ、スペインに行ってからずいぶん話をするのが好きになったし、人とも結構気軽にコミュニケーションを取れるようになったかなという気がします。そういう点ではいろいろな人とコミュニケーションをとるハードルが低くなったかなという感じです。私は英語がはっきり得意と言えるレベルではないのですが、グローバルのメンバーとの連絡会でも特に気後れせず自信を持って対応できるようになったという点では大きな成果でした。
最後に何かあれば
これまで述べた通り、弊社ではやりたいと思うことはやれる環境だと思います。時には実現に時間がかかることもありますが、それでも着実に一歩ずつ弊社のサービスが良くなるように日々全員が取り組みをしていると感じられていて、とても充実しています。
ありがとうございました!
少し町を外れるとこんな感じのオリーブ畑がたくさんあった。5月頃は花粉の時期らしく、花粉症の私にはつらかった。