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【比較検討】自社に最適なMDRサービスを導入するには?選び方の重要ポイントと費用要素・価格体系を解説

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【比較検討】自社に最適なMDRサービスを導入するには?選び方の重要ポイントと費用要素・価格体系を解説
サイバー攻撃の高度化に伴い、従来のセキュリティ対策だけでは企業資産を守りきることが困難になっています。この喫緊の課題に対応するため、脅威の検知と迅速な対応に特化した「MDR(Managed Detection and Response)サービス」が注目されています。本記事では、MDRサービスの基本的な機能から、SOCやMSSとの違い、失敗しないサービス選びのためのポイントまで、網羅的に解説します。自社のサイバーセキュリティの強化を検討されているご担当者様は、ぜひご一読ください。

なぜ今「MDRサービス」が必要なのか?高まる脅威と企業の課題 

近年のサイバー攻撃は、単にウイルス対策ソフトをすり抜けるだけでなく、システムの脆弱性を突き、内部に長期間潜伏して活動する手口が一般化しています。このような状況下で、プロアクティブな脅威検知と迅速な対応を実現するMDRサービスの重要性はますます高まっており、効果的なセキュリティ運用体制を構築する上で不可欠な選択肢となっています。 

サイバー攻撃の高度化と従来のセキュリティ対策の限界 

近年のサイバー攻撃は巧妙さを増し、標的型攻撃やランサムウェアなど、その手口は日々進化しています。総務省「情報通信白書令和6年版」によればサイバー攻撃のトラフィックも増加傾向で、2023年は過去最高の観測数を記録しています。ファイアウォールやアンチウイルスといった従来の境界型防御だけでは、侵入後の脅威を検知・対応することが難しく、企業のセキュリティ運用は新たな局面を迎えていると言えるでしょう。 

出典:総務省「情報通信白書令和6年版」を基に作成
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r06/pdf/n21a0000.pdf

多くの企業が抱えるセキュリティ人材不足という現実

高度なセキュリティ体制を構築・維持するには、脅威分析やインシデント対応のスキルを持つ専門人材が欠かせません。しかし、多くの企業がセキュリティ人材の確保に苦慮しています。当社の調査(NTTセキュリティ・ジャパン調べ、従業員規模101名以上、情報システム担当者933名へのアンケート)では、全体の38.7%が「セキュリティ人材不足」を課題として挙げており、特に101~500名規模の企業では43.2%にものぼります。24時間365日の監視体制であるSOC(Security Operation Center)を自社で構築・運用するのは、コストとリソースの両面で非常に高いハードルがあるのが実情です。

出典:自社(NTTセキュリティ・ジャパン)調べ(従業員規模101名以上、情報システム担当者933名へのアンケート)

「セキュリティアウトソーシング」の重要性

自社での人材確保が困難である以上、専門的なセキュリティ業務を外部の専門家に委託する「セキュリティアウトソーシング」は、極めて合理的かつ重要な選択肢となります。これにより、企業は自社のリソースを本来の事業に集中させつつ、専門家による高品質なセキュリティ運用を享受できます。

MDRサービスの基本を解説

MDR(Managed Detection and Response)とは?

MDRとは、セキュリティ専門家チームが企業のIT環境から収集されるさまざまなログを24時間365日体制で監視・分析し、脅威をリアルタイムに検知・対処するマネージド型セキュリティサービスです。単なる監視に留まらず、インシデント発生時には迅速な封じ込めや復旧支援までを支援し、被害の最小化に貢献します。

関連記事:【MDRとは?】MSS、SOCとの違いや導入メリット、効果的な組み合わせなどを解説

MDRサービスの主な機能と役割

MDRサービスは、高度な知識を持つ専門家が加わることで、企業のセキュリティレベルを飛躍的に向上させます。主な機能と役割は以下の通りです。

  • 24時間365日のリアルタイム監視とログ分析:
    EDRなどの製品が出力する膨大なログやアラートを専門家が常時監視・分析します。これにより、異常な挙動や潜在的な脅威の兆候を早期に捉えます。
  • 脅威ハンティングによる潜在的リスクの発見:
    受動的にアラートを待つだけでなく、専門家が能動的にネットワーク内を探索し、隠れた脅威の兆候や侵入の痕跡を探し出します。
  • インシデント発生時の封じ込め・復旧支援:
    脅威が特定された場合、遠隔からの端末隔離や不正プロセスの停止といった封じ込め措置を迅速に実行します。さらに、被害状況の調査からシステムの復旧までを強力に支援し、事業継続をサポートします。
  • 専門家によるアドバイスと改善提案:
    インシデントの調査結果や対応内容を詳細に報告し、今後のセキュリティ運用を強化するための具体的な改善策を提案します。これにより、企業のセキュリティ対策の継続的な向上を支援します。

【早わかり表】SOC・EDR・MSSとの違い

セキュリティ分野では、MDR、SOC、EDR、MSSといった用語がしばしば登場し、混同されがちです。以下の表でそれぞれの役割と目的の違いを整理し、自社に必要なサービスを見極める参考にしてください。

比較項目

MDR

SOC

EDR

MSS

運用主体

外部専門ベンダー

自社(または外部委託もあり)

自社(ツール導入)

外部専門ベンダー

主要目的

脅威の検知・分析、迅速なインシデント対応・復旧支援

セキュリティ監視・分析、インシデント対応

エンドポイントでの脅威検知・対応支援

セキュリティ機器の運用管理、ログ監視、脆弱性管理など

焦点

能動的な脅威検知と対応

アラート監視と初動対応(ハンドリング)

エンドポイント保護と調査効率化

インフラ安定稼働、受動的な監視

SOC(Security Operation Center): 企業や組織のセキュリティ機器から出力されるログを監視し、インシデントの検知と初動対応を行う専門組織または機能です。自社で構築・運用することもあれば、外部ベンダーに委託することもあります。

EDR(Endpoint Detection and Response): エンドポイント(PC、サーバーなど)上の不審な挙動を継続的に監視・記録し、脅威の検知、分析、対応、そして復旧を支援するセキュリティ製品です。MDRサービスでは、EDRツールを基盤として、専門家による監視と対応が追加されます。

MSS(Managed Security Services): ファイアウォールやIDS/IPS、WAFといったセキュリティ機器の導入・設定・運用管理、パッチ適用、脆弱性診断など、多岐にわたるセキュリティ業務を外部に委託するサービス全般を指します。MDRサービスはMSSの一種とも言えますが、より「検知と対応」に特化している点が特徴です。

失敗しないMDRサービスの選び方と比較ポイント

MDRサービスの導入効果を最大化するには、自社の状況に合ったサービスを慎重に選定することが重要です。ここでは、失敗しないためのMDRサービス選定における4つの重要ポイントを解説します。

ポイント

確認内容の概要

Point 1

自社の課題と目的の明確化
何を守りたいのか、どんな脅威を防ぎたいのかを定義する。

Point 2

サービスの対応範囲とSLAの確認
監視対象や対応時間、報告形式などを具体的に確認する。

Point 3

ベンダーの専門性・実績の評価
アナリストのスキルや実績、第三者評価などを参考にする。

Point 4

費用体系とコストパフォーマンスの検討
料金体系を理解し、自社運用と比較して投資対効果を評価する。

Point 1. 自社のセキュリティ課題と導入目的を明確にする

最初のステップは、自社が抱えるセキュリティ課題を正確に把握することです。

  • 現状課題の例:
    • 深夜・休日の対応リソース不足
    • 高度な標的型攻撃やゼロデイ攻撃への対策不備
    • セキュリティ人材不足によるアラート分析の遅延や見逃し
    • EDRなどのセキュリティ製品を導入したものの、適切な運用がされていない
  • 導入目的の例:
    • インシデント発生時の検知から対応までの時間短縮
    • 未知の脅威や潜在的なリスクの早期発見と封じ込め
    • セキュリティ運用コストの最適化と専門人材の有効活用
    • セキュリティレベルの向上とレジリエンスの強化

Point 2. サービスの対応範囲とSLA(サービス品質保証)を確認する

次に、サービスが提供する具体的な対応範囲と品質を確認します。

  • 対応範囲:
    • 脅威の検知、分析、封じ込め、復旧支援など、どこまで対応可能か
    • 監視対象となるIT資産(エンドポイント、クラウド、ネットワーク機器など)の種類と範囲
    • インシデント発生時の連絡フロー、緊急度に応じた対応レベル
  • 技術・スキル:
    • 利用しているEDR製品やセキュリティ技術(AI、機械学習など)の活用状況
    • MDRサービスを提供するアナリストの分析能力、セキュリティに関する深い知見、対応経験の豊富さ
    • 最新の脅威インテリジェンスの活用状況
  • 報告体制・SLA:
    • インシデント発生時や定期レポートの報告頻度、報告形式、内容の粒度
    • SLA(Service Level Agreement)で明記されている対応目標時間や復旧目標時間
    • 定例会やコンサルティング提供の有無

Point 3. ベンダーの専門性・実績を評価する

MDRサービスは提供ベンダーの力量に依存するため、その専門性と実績は選定において非常に重要な要素です。

  • 長年の運用実績や、多様な業種・規模の企業へのMDR導入事例の有無
    自社と類似の環境での実績があるかを確認しましょう。
  • 金融や医療など特定業界知識や規制対応の経験
    業界特有のセキュリティ要件や規制(例: PCI DSS、GDPR、医療情報システムの安全管理に関するガイドラインなど)への対応実績があるか。
  • 24時間365日のサポート体制、問い合わせ対応の速度と質
    インシデントはいつ発生するか分からないため、緊急時の連絡体制や対応の迅速性は不可欠です。
  • 第三者機関による客観的な評価や認定(例:ISO、SOC2、Gartnerによる評価などなど)
    第三者による評価は、ベンダーの信頼性とサービス品質を客観的に判断する材料になります。
  • アナリストの継続的な教育体制
    セキュリティ脅威は進化するため、アナリストが常に最新の知識とスキルを習得しているかどうかも重要です。

Point 4. 費用体系とコストパフォーマンスを比較検討する

MDRサービスの導入は、セキュリティ強化への「投資」と捉え、費用対効果を多角的に評価しましょう。

  • 導入企業の課題、MDR導入による効果、具体的な成果や満足度を確認
    ベンダーが提供する導入事例や顧客の声は、実際の効果を測る上で参考になります。
  • 初期費用や月額利用料だけでなく、サービス範囲・質、期待効果を総合的に比較しコストパフォーマンスを評価
    安価なサービスが必ずしも良いとは限りません。自社の要件を満たし、十分なセキュリティレベルを担保できるかを見極めることが重要です。
  • 複数ベンダーから提案を受け、比較検討することが賢明
    複数の選択肢を比較することで、自社に最適なサービスを見つける可能性が高まります。
  • 費用に含まれるサービス内容の確認
    例えば、インシデント調査費用、レポート作成費用などが別途発生しないかなど、細かな費用項目も確認しましょう。

価格体系の種類(月額固定、従量課金など)

MDRサービスの主な価格体系は、以下の2種類に分けられます。どちらの体系が自社に適しているか、サービスの想定利用頻度や年間の予算計画などを基に慎重に検討することが重要です。

  • 月額固定制
    • 概要: 監視対象のエンドポイント数などに応じて、毎月一定の料金を支払う方式です。
    • ポイント: 毎月のコストが変動しないため、予算の見通しが立てやすく、管理が容易です。
  • 従量課金制
    • 概要: インシデントの対応件数や分析にかかった時間など、サービスの実利用量に応じて料金が変動する方式です。
    • ポイント: 利用が少ない月はコストを抑えられますが、大規模なインシデントが発生した際は費用が高額になる可能性があります。

導入前にROI(投資対効果)を試算する重要性

MDRサービスの費用を評価する際は、単純な支出として捉えるのではなく、セキュリティ強化への投資として考えることが重要です。万が一、重大なインシデントが発生した場合の想定損害額(事業停止による損失、復旧費用、顧客からの信頼失墜、風評被害、賠償金など)と、サービス利用料を比較検討しましょう。また、自社で同レベルの専門家を雇用し、24時間体制のセキュリティ運用を構築・維持する場合のコストと比較することで、MDRサービスの高いコストパフォーマンスが明らかになるケースも少なくありません。事前のROI試算は、経営層への説得材料としても有効です。

MDRサービスに関するよくある質問(FAQ)

Q. 導入までどれくらいの期間がかかりますか?

A. お客様の環境や監視対象の規模によって異なりますが、一般的にはヒアリングから契約、そして監視開始まで1〜3ヶ月程度が目安となります。NTTセキュリティ・ジャパンのMDRサービスでは、お客様自身で導入作業を進められるセルフオンボーディングを提供しており、より迅速な導入が可能です。詳細なスケジュールについては、お問い合わせの際にご確認ください。

Q. EDR製品を持っていない場合でも導入できますか?

A. はい、導入可能です。多くのMDRサービスベンダーでは、EDR製品のライセンスを含めた形でサービスを提供しています。お客様の環境やご要件に最適なEDR製品の選定からお手伝いできる場合がほとんどです。すでに特定のEDR製品を導入済みの場合は、その製品を活用して監視を行うことも可能ですので、お気軽にご相談ください。

Q. 他のセキュリティ製品(SIEMなど)との連携は可能ですか?

A. はい、可能です。多くのMDRサービスは、EDRだけでなく、ファイアウォールやプロキシ、そしてSIEM(Security Information and Event Management)など、様々なセキュリティ製品のログを取り込んで相関分析を行うことができます。複数の情報を組み合わせることで、より検知の精度が高まり、セキュリティ運用全体の可視性が向上します。連携可能な製品については各ベンダーにご確認ください。

NTTセキュリティ・ジャパンのMDRサービス

NTTセキュリティ・ジャパンが提供するMDRサービスは、検知・対応からログ管理までをワンストップで実現します。独自のSIEMプラットフォームを核とし、以下の6つの特長でお客様のセキュリティ運用を強力に支援します。

当社サービスが選ばれる6つの理由

  1. Global:グローバル連携対応が可能

    欧州にも日本と同一のプラットフォームを構築しており、GDPR(一般データ保護規則)などの現地規制に適合したサービス提供が可能です。海外拠点を持つ企業であっても、グローバル統一基準でのインシデント連携とガバナンス強化を実現します。

  2. Reasonable:ログ量が増えても安心な価格設定

    くのメーカーがログ量に比例してコストが増加する従量課金であるのに対し、当社サービスは「エンドポイント数」による価格設定です。1IDあたり3GBという圧倒的なログ量を分析しながらも、ログ量増加によるコスト高騰の心配がなく、予算管理が容易です。

  3. Easy:初期導入は簡単でスピーディー

    申込から数営業日でお客様ポータルを開設可能です。お客様自身による簡易なGUI操作での導入(セルフオンボーディング)を選択された場合、初期費用は無料となり、最短数日で監視を開始できるスピード感が魅力です。

  4. Analysis:SOCアナリストによる24時間リアルタイム分析

    高度な知見を持つSOCアナリストが24時間365日体制で監視します。チャットによる直接の問い合わせにも対応するほか、脅威発見時には端末隔離やネットワーク遮断といった一次対処(封じ込め)までを迅速に実行します。

  5. Threat Hunting:未知の脆弱性や脅威にも対応可能

    受動的なアラート検知だけでなく、SOCアナリストが独自の分析ロジックを作成・適用し、未知の脅威を能動的に探し出す「スレット・ハンティング」を行います。これにより、潜在的なリスクを早期に発見・排除します。

  6. SIEM:独自開発の統合プラットフォーム

    クラウド、ネットワーク、エンドポイントに加え、OT(産業用制御システム)など約70種類の製品に対応した自社開発のSIEMプラットフォームを活用します。KQLでの柔軟な検索やCSVエクスポート、任意の期間での統計レポート作成など、高度な分析ニーズに即時対応可能です。

まとめ:最適なMDRサービスを導入し、セキュリティ体制を次のレベルへ

本記事では、現代の企業にとって不可欠なMDRサービスについて、その必要性から基本的な機能、選び方のポイント、費用体系まで詳しく解説しました。サイバー攻撃が高度化し、セキュリティ人材の不足が深刻化する中、専門家による24時間365日の監視と迅速な対応を実現するMDRサービスは、企業の事業継続性を支える重要な投資です。

自社のセキュリティ課題を明確にし、本記事で紹介した比較ポイントを参考に、最適なMDRサービスを選定してください。そして、プロアクティブなセキュリティ運用体制を構築し、ビジネスを脅威から守り抜き、安心して事業に集中できる環境を確立しましょう。

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